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主に文芸書などの読後感想をメインに 独断と偏見大いにありで呟いていこうと思います。
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●時間の配分から、読書のゆとりがなくなった。これも自然の流れであろうか。仕方がない、諦めて他の方法を考えよう。さて、俳句にいま励んでいる。無口の文学だという。この研鑽で小生人間が鍛えられるだろうか。「軽い、おしゃべり」といわれてきたからなおさら期待したくなる。読み手と作句者との相性の結果とも言える阿吽の関係がそこにはあるようだ。17文字で簡単そうだが、100枚の小説創作よりしんどいときがある。「のろ」「祭り」といった俳句雑誌でちょっぴり目覚めたかもしれない。(21・7・19文芸)
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●俳句集「祭」岩手県の同人雑誌である。基本的にきちんとこの類のものを読んだのははじめてである。とても勉強になった。作家たちは皆ゆとりの精神人生を送っているようでうらやましい限りだ。前回の白濱とも子さん関係の人脈から手に入った素敵な小冊子だった。
●さて田辺聖子の「新源氏物語(上・中・下)」口語訳でわかりやすいのだが、中巻の半ばいまだに整理ができないでいる小生、ぼんくら(汗)。再読を決意したしだい。アトランダムにぼけ具合をご披露しましょう(自慢げにきこえたら失礼!)。帝、中宮、朱雀院、六条亭、御殿などの位階所在の不明確。そして放蕩源氏の相手とその間柄の人脈図を問われれば、関係した相手の名は何とかわかるものの縁者関係があいまいになったまま。藤壺、紫の上、その母親? 若紫、夕顔、その娘玉蔓? 明石の君、その姫君は誰だったか、末摘花、花散里、御息所、空蝉、そしてそのまわりの女房たちなど記憶にあるので書き出せる人名はこのくらい。本を紐解いて絡み合う系図を書き上げてみたい。それにしても平安京のころから愛の物語の存在を誇りに思うといった三島由紀夫(「荒野より」・継読中)だが、その発言なら彼に同感できるかもしれない。とりあえず余生いくばくか?再読(与謝野晶子訳も含めて)を決意したのであります

岩手県在住の作者は、主婦業の傍ら、昔話や日々の暮らしをつづっている「さいかち通信」を月1発行している。この本はそれをまとめたもので、横浜育ちの小生も、懐かしい日々の習慣が岩手県での生活と似ていて楽しく思い出がよみがえり、うれしく読ませていただいた。しかも描かれている道端の草花のスケッチがすばらしい。牧野富太郎を髣髴とさせる。昔からの話が、これほどいとおしく感ずるのも、進化しすぎた今が異常とさえ思えるからだろうか。むしろ退化している今と思えるような内容の本であった。さらに続けられることを祈念するしだいである。
●三島由紀夫「荒野より」の中で、谷崎潤一郎論を読んだ。なぜあの彼の感性に昔は狂ったのだろうと思う。若いから蹂躙されていたのだと思う。もし小生が彼を評価する何かの審査委員だったら、「意味不明、一人よがり、何の根拠もない論理。それをポエジーと思い込んでいる。読者を馬鹿にするな!」といってやりたいと思った。決して頭なんか良くない。ただ東大卒がこちらぼんくらたちを惑わすのだと思った。あ~、わが青春を返してくれ!今頃気づいたのだからぼんくらも重症であった。(笑い)
●三島由紀夫「荒野より」と田辺聖子「新源氏物語」を読んでいる、そして知り合いの友人白濱とも子さんの「自然と共に生きるⅡ」を読み始めた。最後の本がわくわくしそうである。イラストもきれいなものだった。そのうちに読後感を載せる予定である。(21・3・8文芸)
映画、三丁目の夕日に関してのコメントがラジオで流れた。小生気がついていたことなのだが、誰も言及していないような気がする。主人公の文学青年、熱演で大好きなのだが、設定が気になるのだ。芥川賞を目指していた青年が落選で生死をさまようほど、そして自殺をするかもしれないほどしょげているのだが、候補になるということはそれで生計は立っているはず。しかも本など出ているのだから候補になってそのまま作家生計を立てているのもいまだに多くいるのに。シナリオ、原作は誰かは知らないが、やはりおかしい。ドラマでの時代設定で当時の芥川受賞作は大江健三郎だったとラジオでいっていた。彼も仮に受賞しなくても現役でバリバリ書いていたろう。ただ原稿料が少ないのだろうけど。主人公および近隣応援者たちの落胆演技は大げさであったと思う。
 三丁目の夕日そのものの当時の雰囲気は大いにわくわくしたのだが。・・・ひょっとしてこちらの鑑賞眼が足りなかったかな。もちろん最後の部分しか見ていなかったのだが。ちなみにコメンテーターはこのテーマと違っていたが、いつもわかりやすくて鋭い、榎戸一郎(誤字ならごめんなさい)さんだった。(21・2・23edward)
空中庭園・角田光代著はものすごい才能。少なくとも業界編集者は飛びつくだろう。会話はまジー?とかゼッテい?(まじめ?絶対?)なんて言葉を平気で使って一つの世界を構成している。嘗ての三島由紀夫に言わせれば、格調高き文学ではないといわれそうだ。それがいま主流になっているみたいだ。読者層を拡張するにはもってこいのはず。その本の内容はといえば、16歳の視点で作るドラマから40歳くらいの夫婦や60歳の祖母までを軽く一気に第一人称で書き上げているのだ、一人の作家がである。いまやこれほどの才能技量スキルがなければ商品価値はないのだろう。俳句のような「だからどしたの?」的文学は成り立たないようだ。さて引き続きその三島由紀夫の著作「荒野より」を読み始めた。彼、自殺する5年ほど前40歳頃の作品だと思われる。神田古書店の出店で見つけたものだ。近々に読後を公開しようと思う。(21・2・21文芸)
●灰谷健次郎の対談集「われら命の旅人たり」を楽しく読んだ。中でも宮崎学さんとの対談。宮崎さんは今でもゴミ捨て場に遭遇すると、嘗ての習性か、良いものがあると拾いたくなり、良い服があるときは着替えてしまいそうになるという。良寛さんの現代版。何のこだわりもない詩人とでも言うのだろう。いまだに奥さんにたしなめられるほど放浪癖が顔を出すらしい。「これほど印税が入ってくるというのに、物を拾ってこないで!」(笑い)。こんなくだりが多い本である。下手に作られた直木賞物を読んでいるより生と死の命すれすれの話は楽しい。紙一重という言葉があるが、気がつかないでも、あちこちに転がっているような気がする。踏みつけないようにしたいものだ。(21・1・31文芸)
断続的に読んでいる灰谷さんの対談集。ざっくばらんなキャラそのままで好感が持てます。山田洋二、石倉三郎、白川和子までしか読んでいないが、一気に読めそうでのんびりとスタンバイしている。自分ではまさかの人生といっていた灰谷さん、やはり引き上げられる人物は誰かが見ているものだ。いまNHKラジオでやはり引き上げられた村上春樹特集をやっているが、灰谷健次郎と対談はきっとイベントにはならないだろうと思うのは偏見かな~。
 金井美恵子、同い年である。長い小説(エオンタ)は、ポエムのように感性だけが文字となって流れている。まるで俳句の長編版といったらいいのか。エオンタとは「存在するものたち」とギリシャ語でいうそうだ。読んでいてついていけるのだが、まねはできない。そういえば、いま人気の若手作家の作品は時間さえあれば、まねはできそうなのだが、金井美恵子のはそうはいかない。それだけ特異な才能の持ち主なのかもしれない。ファンは多いと聞くし、小生も今はやりのものは長編であればあるほど飽きてくるが、彼女のものは、いつの間にか読み終えているといった感じである、一行一行ボードレールの詩の連続、また俳句の裏側を読んでいるようで不思議な充実感がある。全集のなか、あと何編かの作品が未読。読む予定である。(20・12・13文芸)
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