主に文芸書などの読後感想をメインに
独断と偏見大いにありで呟いていこうと思います。
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08年10月19日、日本橋高島屋にて開催中の柳原白蓮展へ行った。林真理子作「白蓮れんれん」の先入観を持って出かけたものだ。華族からの脱却から愛にのみ生きたという波乱に満ちた歌人の愛あふれた生涯展である。筑紫の女王として君臨していた彼女が、すべてをなげうって帝大生龍介とかけおちするといった流れが、林真理子の史実に沿った物語とほぼ一緒であった。活字だけで見ていた、九州の炭鉱王、と帝大の宮崎龍介の写真展といってもいいか。同伴した女房の言だ。「見なければ良かった。下品と詠われた炭鉱王伊藤伝右衛門の容姿と言い分のほうがまとも。龍介さんという人は駆け落ちするほどのオーラは感じられない!」同感だ。華族という一切の不自由のない物質生活が後、欲するものといえば、愛だけなのかしら、一度そんな決意に至る心情に見舞われてみたいものであった。なお隣のコーナーでは、美智子妃殿下の「愛のある日々」展もやっていた。こちらのほうがはるかに自然でよかったような気がする。めぐり合わせは、何かの法則でできているものなのだろうから。
(20・10・26文芸)
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